エッセイ集

第1話 2002年稽古納め~12月(2002年)

 はじめまして。・・・はわゆこと、山野亜紀です。
 この第一回目の私のエッセイ・・・と言えば聞こえは良いのですが、HP立ち上げの準備期間で私、とにかく悩みに悩みました。
 タイトルが長いせいもあるのでしょうが、テーマが多すぎ(!)
 殺陣にしようか、アクションにしようか。
 はたまた、護身術で飾ろうか。
 ・・・いやいや、いっそ皆さんのよく知らない世界という事で、真剣刀法にしたものか・・・★ (T_T)

(山野亜紀注:HP名は、2003年当時は「はわゆの殺陣&アクション、そして護身のテクニック講座」→ドメイン変更して2008年より「はわゆネット」となりました)

忍者の使う、撒き菱

 勿論隠し武器についてや、時代劇で当然のように思っていた芝居上での嘘などのご紹介もたくさんしたいですし、ネタはごっそりあるものの、どういう順番を付ければ良いのでしょう・・・。
 このエッセイでは、皆様からのご質問などを募集しております。
 ネタの順番付けの為にも。どうぞ、宜しくお願い申し上げます。 <(_ _)>

 今回は、初めてですので。
 取り敢えずはこの頁を、まずは読んでみている方もいらっしゃるのではないかと想定して。
 私が通っている、殺陣道場総本部・武劇館での稽古風景などを紹介してみようかと思います。

●2002年の稽古納めは、殺陣、護身術と順調に進んで最後、真剣刀法の時間となりました。

お茶目な処も多くあった林先生★

「今日は君達に、初の試練を与える」
 とは、林先生のお言葉です。
 さて試斬では、畳表を巻いて一晩水に浸けておいた物を、巻藁の代わりに使っています。
 畳一枚分巻いたものを、一本巻
 半分で巻いたもの半巻と呼んで、ここでは全員半巻稽古をしています。
 ・・・半巻で斬り方や角度を何度も稽古をした上で、一本巻きに挑戦するのです。

 本日私達の試練は、袈裟斬り(肩口から水月、つまり胃の辺りにまで掛けて斜めに斬る)に一番良いと言われる角度で・・・とはいえ、そこは畳表なので大体80センチ位の間を。
 ですが、試斬台と呼ばれる台に巻藁を刺す関係で、下から10センチは芯があってそこは斬れませんから。
 ・・・まぁ、70センチ位の所を、7回同じ方向で斬って、自分以外の人に判定してもらうという趣向です。

 さて袈裟斬りに一番良い角度は大体、30度から40度の間だと言われていますが、人がやってる時には、非常に楽しく。 
 自分が挑戦している時には、本当にできるのかなぁなどと心配をしたり、緊張したりする時間の幕開けでした。 

太い方が一本巻で、細いのが半巻です。 試斬台です。この芯の先に、藁を立てます

 稽古場はクライマックスを迎え、全員の試斬が終ってみると、半巻が一本残っています。
「みんな充分斬って、堪能した?じゃあ、俺が斬ろうかな」
 林先生は、悠然とした態度で刀を腰に差しました。
 通常ならここで、皆に今日の試斬での注意点やら、反省点などの有難いお話になるのですが・・・。

林先生手書きの、道場訓★

 この稽古場では、実際に巻き藁を斬る人以外の人が、斬る人の面倒を見ることになっています。
 試斬台に、巻き藁を立ててあげたり。
 例えば斬り損なって、試斬台を倒してしまった時などには、直してあげたり。
 足元に散った畳屑を掃き清めたり、汚れていたなら、雑巾で足下を拭いてあげたりして、お互いに面倒を見合うのが、林先生が決められたルールです。

 弟子の一人が巻藁を立てながら、何気なくこう言いました。
男弟子A「線でも付けてみます?」
全員 「え?・・・」
 ・・・そんな事は、と。 
 皆が笑いかけた瞬間、一人の女性が立ち上がりました(!)(注:山野じゃありません~っ★)
女弟子B「面白そーっ! やりましょう!!」
 一人言い出すと、道場内は騒然となりました。
 我も我もとばかり、巻き藁に近寄ります。

逆刀での持ち方

男弟子C「難しい奴にしましょう!!絶対に、できないような!!
女弟子B「今まで習った奴で一番難しい奴をしかも連続で!」
男弟子A「連続・・・って、ちょっと。俺はただ、線をつけてみないかとそこは、冗談でっ!」
男弟子C「あ、逆刀斬りを入れましょう!」

 逆刀斬りとは
 刀を握る時、通常右手が上、左手が下の形で握りますが、これを反対に握ったままで斬ること。
 袈裟斬りでも、逆袈裟(俗にいう斬り上げ。袈裟斬りの反対)でも真横斬りでも、やろうと思えば、出来ない訳ではありませんが、稽古の量が普通の斬り方よりは少ないので、難しいことは確かです。

 「諸手抜打ち」よりは、「片手抜打ち」の方が難しいか・・・などなど。
 どんどんと、レベルが上がっていきます・・・。
「ちょ・・・・・・、ちょっと」
 林先生の言葉は、もう弟子達にまでは、届きませんでした。

 結局、「片手抜打ち」で抜き付けて、そこで逆刀に持ち替えてからは、斬り上げ、斬り下げ、また普通に持ち替えて真横を連続で4回という・・・誠に奇天烈な手が、林先生に与えられました。
 赤マジックでくっきりと、さぁ、斬って!!とばかりに、線が書かれます。
女弟子B「できないっ、絶対にこんな事できないっ!!」
 ・・・言い出しっぺの女性は、喜色満面♡
 それぞれが自分の位置に戻りながら、わくわくするやら、気の毒がるやら。
男弟子C「・・・この中で、誰が一番意地悪なのか、よくわかった」
男弟子A「お・・・俺は、ただ。線を入れましょうかってのは、冗談で」

逆袈裟斬り(俗称は、斬り上げ)

 色々言うものの、止める人は1人も居ません
 全員の視線を一身に浴びながら、林先生はおもむろに巻藁の前に立ちました。
 結果が一目で判るよう、ギャラリーは全員、線が見えるように横の位置に陣取っています
「うーん。ちょっと厳しいんじゃないの?」
 等と言いながらも林先生は、片手抜打ちの体制に入りました。

「こういう時はね、自分の気を大宇宙と合わせて。一体になったように、ゆったりとした、いい気持ちでやるんだ」

これから稽古して、薙刀試斬も演武するようになった山野亜紀★

 などとは、言いながら。
 それでも結局、さすがは林先生。
 最初の片手抜打ちから逆刀斬りの連続技までは成功!
 そして私達弟子達に、最後は、サービスなのか、それとも・・・?
 真横水平斬りは、1回目まではクリアしましたが、後はメチャクチャ★
  全員、転げまわって大笑い、大受け、大盛り上がりの稽古納めとなりました。
 2003年もまた、がんばりましょう。 (^_^)v

山野亜紀エッセイ・目次は、こちら!

関連記事

  1. 第6話 林邦史朗先生「武蔵~MUSASHI~」に登場!そして更に…
  2. 第48話 その後の「お富サンの三味線」~4月(2007年)
  3. 第24話 「武劇館流・参段」への道のり~8月(2004年)
  4. 第20話 旅に出た、わたし。~5月(2004年)
  5. 第25話 病み上がりの私・・・~8月・後篇(2004年)
  6. 第五話 茶をもて(武家娘の所作)
  7. 第11話 10年ぶりのマット運動~10月(2003年)
  8. 第35話 運動能力って、何ですか?~3月(2005年)
PAGE TOP