エッセイ集

第4話 初めての剣術体験(甲源一刀流)~5月(2003年)

 お元気ですか?山野亜紀です。
 私がこのエッセイを書いている今現在(2003年5月)ですが、世間さまではゴールデンウィークも終り、若葉の美しい季節になっています。
 ・・・いやー。
 アレルギー体質(山野亜紀注:2019年現在は、それほどでもなくなりました♡)であれこれサプリメントを試していた私ですが、とにかく、そんな私にも良い季節が訪れました。(^_^)/

こちらは熱海にある起雲閣。農業高校は、これくらい緑の多い場所でした。

 ・・・ところで、五月の母の日・・・なんですが。
 私は、JRの駅で言えば「東青梅駅」から徒歩3分の位置にある農業高校という場所に立っていました。

 私こと、山野亜紀のプロフィールをご覧戴けれ納得!・・・という所かと思いますが。
 昨今の稽古場に通っているメンバーは、簡単に一言で言ってしまえば「古武道体験!」というのを、現在もしています。
 林先生のお考えで、お芝居としての武道(つまり立ち廻り)を学ぶのはもちろん、実際の本物の武道(!)というものも体験しておけば、きっとそれは「人生の宝にもなる」・・・という事らしく。
 そして学んでおけば、それは勿論、役者としての・・・生涯の技能にも成り得る、というのが林先生の信条のようでした。

●そしてある日、「甲源一刀流の先生なる人物」を、林先生は道場へと呼んで下さいました。

小説・大菩薩峠のカット

 ・・・本物の、古武道という世界に生きてきた先生です。
 後に「仙人」と呼ばれる事になった・・・この御人。 
 平成の時代に生きる仙人は、まぁ・・・。 
 このご時世ですから、自家用車をご自分で運転していらっしゃいます。 (-“-)
 ・・・まぁね。
 山野家に来るお坊さまだって、50ccのバイクでやって来る時代です。
 雲にではなくって、車でやって来るのも有りか・・・とは思います。
 この先生がいらっしゃる・・・と聞いた時の、私達の反応。
 それはドキドキワクワクというよりも、・・・実の処を言うと「何か、来るみたいよ?」というか、そんな感じでした。 (^_^;) 

 さて仙人剣術の先生という事ですから、・・・言ってみれば本物の剣豪?という事なのでしょうか・・・???
 林先生は勿論、剣豪なる人物を何人も知っていらっしゃるようですし、交流も深めていらっしゃるようですが。
 私にとっては、剣豪ってのは、もしかして異世界・・・? (‘_’)
 この天下泰平の平成の世の中で、古(!)武道をやっている人って・・・。
 ・・・やっぱり、怖い人なんでしょうか・・・???

 ちなみに古武道といえば。
 まぁ・・・槍とか、琉球古武術とか薙刀とか。
 立ち廻りで幾つか体験してますし、真剣刀法の時間で私達は、実際に本身(刀身が刃の、本物の刀の事。ちなみに模擬刀は「鉄身」と呼ばれている)で斬ってみたりもしてますが、こうして・・・何流とか。
 名のある剣術の先生って、一体・・・?

これは2017年の試斬風景

 実は、甲源一刀流という名前さえ、知らなかった・・・私です★
 有名な流派だということで、一体どんな人物が有名なのかと、聞いてみました。
 林先生曰く、「大菩薩峠」という小説で、机龍之介という主人公が修めていた流派だとの事。
 その「大菩薩峠」なる小説ですが、神保町にある三省堂書店でやっと見付けたのですが、なんと全20巻の超大作(!)
 一冊辺りの頁数大体4~500頁という処(!)
 ・・・立ち読みには、キツイ量です。 (^_^;)
 ちょっと見ただけで、尻込みをしたくなるような厚さです。
 そして余りにも、お話が長過ぎたのか・・・?
 作者が途中で亡くなった為に、遂に未完(!!)で終っているという・・・この「大菩薩峠」
 字でも大きかったら、・・・もしかしたら、頑張ったかも知れませんが、でも今の所(注;2019年になっても★)私は、挫折をしております・・・★ (+_+)

 原作者は、中里介山氏(明治18年生まれ)。
 ある紹介文によりますとこの本は、幕末を背景に盲目の剣士・机龍之助と彼に関わる人との様々な人間模様・・・と、あります。

 机龍之助「音無しの構え」で有名なのだそうですが、これも初めて知ったんですが、実際の甲源一刀流にはそんな名前の構えはないのですね。 (‘_’)

 私達がおいおいに習ったのは、大刀での20本と、小太刀で5本の、計25本の組手でした。
 ・・・さて、この古(!)武道って・・・。
 立ち廻りに慣れていた私には、本当に・・・カルチャーショックの連続でした★

映画で有名な「大菩薩峠」、主演は市川雷蔵さん・・・しぶいですね♡

 甲源一刀流ではまず「五天」と呼ばれる五本の組手から始まるのですが、最初の一本目など。
 ・・・相手が一発打って来たところをガチンと一発それで終り
 ・・・え・・・?
 これで終り??? (-_-;)
 もっとこう~、何か、色々(手が)つかないの・・・??? 

 今一つ飲み込めないでいる私に、林先生は仰いました。
「真剣勝負なんて、そういうものだよ」
 ・・・その、真剣勝負の組手なんですが。
 飲み込むのには私、大変、けっこうに時間が掛かりました・・・。
 (でもそれって実は、私が覚えが悪いだけかも知れませんが★) (^_^;)

 甲源一刀流は、「五天(ごてん)」に始まって、「陳頻組(ちんぴんぐみ)」「残心組(ざんしんぐみ)」「刃切合組(はぎりあいぐみ)」と続きまして、小太刀で終ります。

 ・・・私こと山野亜紀の、カルチャーショックも更に続きます。
 それが・・・何かと申せば、武道の経験が何もなかった私には、まずは気合声からして、すごかったから・・・という事になるのでしょうか★

こんなシーンの撮影時に使う、気合声で、アチョ~♪は、やめて欲しいですよね★

 さてところで、立ち廻りを稽古していると、様々な気合声に巡り合う事がございます。
 ポピュラーに使われている「えい」「やぁ」「とぉ」。
 たまに「アチョォッ」てのも、ありますよね。 (‘_’)

 ところで、立ち廻りをやってみたい、という人が使う好みの気合は、様々です。
 空手が好きな人、剣道が好きな人、中国拳法が好きな人、プロレスが大好きな人・・・などなど、本当に様々です。

 殺陣の稽古を始めたばかりの人は、照れもあるのか、ついついお茶を濁してしまいたくなる・・・この気合声。
 林先生の注意も、飛びかいます。
「うそっぽい掛け声はやめて」

 プロレスに聞かれる「うりゃー」「おりゃっ」「とりゃー」「でりゃー」
 「そいやっ」など、刀の立ち廻りには似合わないものも、幾つか★
 ・・・そして本人、「やぁっ」と言ってるつもりなのでしょうか・・・?
 たまに、「ザァっ!」という気合い声も、何人か私は聞いた事があります。
 ・・・で、甲源一刀流の場合なんですが、それは。
「とぉおおおおおおぉぉーーーーーっ!!」
 ・・・本当に、この位「お」が続くんです・・・。 (^_^;)

 仙人が一度これを口にすると、私達はもう、床に平伏すしかありません。
 あぁ・・・。
 何だかよく判らないんですが、本当ーっに、仙人只者じゃありません・・・
 カルチャーショックの余韻を残したまま、この話は次回へと続きます。

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